人材不足で事業拡大が難しい
深刻な人材不足
昨今の問題に、企業の人材不足があげられます。働く人がいてこその企業です。人材不足はとても大きな問題になってきています。正社員に不足感があると答えた企業は全体の4割程もあります。小売り企業のアルバイト雇用にも人材不足があり、店舗の閉鎖、開店の延期などをする企業が増えています。少し前まではリストラなどで過剰人材の整理を行い倒産することを防いでいましたが、今では人材不足により事業を回すことが困難となり、人材不足による影響で倒産してしまうような状況に近づいています。
このような事態になってしまった理由に労働人口の減少が考えられます。企業の人材確保能力が低下していて、働く人がいないということよりも、その仕事に必要とされるスキルがある人材を確保することが出来ていないのです。人件費の削減に徹底すれば正社員をパートで補うなどコストダウンをすることが出来ますが、その場合、重要な仕事を任せられる人材が減少してしまい、仕事内容の質が落ちてしまいます。そのようになってしまうと企業としての能力が低下してしまいます。
人材育成の悪化
人材の育成は現場での育成が基本になっています。しかし、マニュアル化されているものではないので状況や上司によって大きく左右されますし、現場の状態が人材の育成そのものを出来ない状況であれば現場での育成は機能しません。コストダウンを目指すことで人員を減らした結果、中間管理職がマルチな役割をしなければならなく、人材育成に時間や労力をかけることが出来なくなります。
賃金による人材不足
どのような仕事に就くかを決める際に賃金は重要でしょう。そして高い賃金を求めて転職を考える人が多くいます。ですから高い賃金を支払える企業は人材を確保することが出来ると言えます。しかし、現在、定期昇給を合わせた全体の賃上げ額は例年変化がなく、人材確保のために賃金を高く設定している企業は少ないので、このような理由が人材不足になっている原因の1つと言えます。
企業の経営の仕方に問題がある
多くの企業は人材を効率的に使うこと行ってきましたが、仕事に対する人への貢献や報いに対して関心を払って来ませんでした。そのため人材は育ちにくく、育ったとしてもやる気が上がらなく、外部からの人材を確保するための手立てもないのです。30年前の高度成長期に多くの企業が切磋琢磨し競争力で大きく育って来ましたが、そこには人材重視の経営方針がありました。しかし現在ではその大切な人材重視の経営が少なくなって来ています。